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SF薀蓄館

サイボーグ

 サイボーグ(cyborg)は、いわゆる、改造人間を指す。cybernetic organism(人工頭脳学的有機体)が語源。本来は、人間の諸器官を医学的に人工機器に置き換えることで、宇宙空間でも生き延びれるようにしようというSF的考え方から派生したもの。サイバネティックスの概念によって生み出された人体と機械の融合体である。
 日本では、石ノ森章太郎の『サイボーグ009』によって一般に知られるようになった。
 サイボーグの定義は医療、または強化目的で生物機能を人工物に置きかえることで、実用化されているのは人工心臓やペースメーカー、人工関節などがある。また、広義にはコンタクトレンズや義歯もサイボーグに含まれる。
 サイボーグには侵襲型、非侵襲型という二つの形態がある。侵襲型とは人体の内部に埋め込んで稼動させるタイプのことで、インプラントとも呼ばれる。人工臓器、人工骨、また脳と電子機器をつなぐ「ブレイン・マシン・インターフェイス」などがある。これらは故障や誤作動があった場合の危険性や倫理面での問題が指摘されている。
 一方、非侵襲型は、肉体の外部に取り付けて稼動させるタイプで、着脱可能な義手、義足などである。これらは侵襲型と違い危険性も少なく、また倫理面での問題もクリアしやすい。現在、アメリカでは強化服(パワードスーツ)の開発がされているがこれも非侵襲型サイボーグと言える。
 サイボーグ化した場合、身体バランスが保てるかどうかの問題が発生する。拒否・拒絶反応、成長や延命による不具合等々、考慮の必要が出てしまう。また、健康体を不必要に手術してしまう可能性があることも否めない。生命倫理に関わるため、既存の作品では、しばしばサイボーグの人間性、機械性を取り上げ、「人間か、機械か」というテーマを扱うことがある。
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以上、サイボーグについて、俊衛門さんからの寄稿に補足して掲載しました。
ご協力ありがとうございました!

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