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SF薀蓄館

超能力

 サイ現象、という概念があります。サイ- (psy-) とは、ギリシャ語で心・魂を意味するプシュケー (psyche) から。

 物理的サイ現象は、幽霊やポルターガイスト。
 生物的サイ現象は、憑依や転生、幽体離脱。
 心理的サイ現象が――超能力。

 超能力は、テレパシー・透視・予知・念力などといった、超自然的な能力をさします。
 超能力という概念は、超常現象――とりわけ心霊現象に科学的な説明を与えようとして考え出されたものであり、いわば空想解釈をくわえた霊能力といえるかもしれません。
 その反面、超能力はSFにおいては人気の高い題材であり、アメリカのドラマでは【4400】や【HEROES】などでも、さまざまな超能力者が出現します。
 超能力は、ESP(エスパー)と呼ばれています。 Extra Sensory Perception(超感覚的知覚)を省略したESPに接尾語"-er"をつけたESPer(エスパー)という呼び方です。
 本来は厳密な部類分けがされているのですが、ここではテレポーテーションやサイコキネシスも全て総称して超能力とします。

 作品上における超能力の発現パターンは、いくつかあります。
 一部の選ばれた人間のみ/眠っていた素質が開花する/不意の事故で突然能力が芽生える/薬物投与によって人工的に/訓練で強化できる――などなど。
 少年・青年期に能力を発揮するというタイプが多く、本来力を持たない一般キャラが突然破壊の力を手に入れるという展開に使われたりもします。

 物質を操るテレキネシス。 
 人の心を読み取るエスパー。
 世界全土を飛び回れるテレポーテーション。
 万物を焼き尽くすパイロキネシス。
 未来を読みとる予知能力者。

 SFでは、サイボーグ技術やハイテク兵器という外部≠フ力を借りて、人間にやれないことを成していくことが多いですが、超能力は内部≠ナ眠る己の力を引き出す要素が強いです。
 サイは、心を意味する言葉。
 超能力とは、より強くありたいと願う、人間心理に内在する力と言えるかもしれません。
   ◇◇◇
※以上、かわい洋ヘイさんから寄稿いただきました。ご協力ありがとうございました!

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